「月酔宴」
おいで月夜に遊ぶ猫
青い爪の手が鍵盤を叩くよ
おいで闇夜の白い蝶
赤いワインに蜜を注ごう
時計の針は くるくる くるう
錆びついたお伽話を巻き戻す
言葉を持たない盲目の詩人は
指先で懸命に音符を並べる
あたかも金の粒を数えるように
おいで月夜に遊ぶ猫
少女は眠りについたでしょうか
おいで淋しい瞳の孤独な姫君
あなたは魔法をほどくのに夢中すぎる
唄え愚かな道化たち
月明かりは極上の酒
夢はひとひらの蝶の羽
「そろそろ宴のはじまりか?」
にゃーら
みぃーあ
鈴の音のように笑う猫の声
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