「檻」




ガラスと白銀で作られた檻が
天界の片隅で砕け散る

逃げ出したのは紫色の翼の天使

ロザリオを捨ててナイフを手にした
翼を裂いて銃を手にした

別れを告げたもう一人の天使を探すために
黒い茨に捕われた少女を助けに


砕けた檻のかけらは
ダイヤの粒のように下界に降り注いだ

地上に住む鍛冶屋の青年が
それを拾って
錬金術師のところへ持ってきた
そして占い師に相談した


これから訪れる天使に
何を作って渡すべきだろうかと


金の鎖か
銀の銃か

ガラスの十字架か

聖水の露か
祈りの涙か


無慈悲な神に代わって 告げなくてはならない
あなたを縛っていた檻はもうないのだと

あなたが救おうとした少女は
すでにもう天にも地にもどこにもいないのだと


美しい白い手から
悲しい武器を取り上げて

空虚な真実という安らぎを握らせて

そして翼を失った背を撫でてあげよう



人の手のぬくもりが
あなたの弔いになりますように









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