彩(いろ)の女神の操る色は
全て
この世で一番美しい色でした。


あるとき、彩の女神は、
緑色に飽きて
お気に入りのアジサイの葉を

赤、ピンク、蒼、黄、オレンジ、紫・・・

一枚一枚を いろんな色に変えました。





彩(いろ)の女神の操る色は
全て
この世で一番美しい色でした。

女神のアジサイの木は
葉を一枚一枚 色鮮やかに輝かせ
どんな芸術品にも勝る 美しい木になりました。

虹色に姿を変えたこの木は
この世のものとは思えぬ美しさです。

女神は その輝かしい美しさと
ご自分の操る色の 
見事なきらめきを見て満足するのでした。







ですが
緑の木の精は 彩の女神に腹を立てました。


木は 緑の葉を持ってこそ木でいられるのです。
こんな姿に変えられて
木はただの芸術品としての存在のようです。

木の精は なんとかして
木は緑の葉をつけてこそ一番美しいのだと
女神にわかってもらう方法はないかと
鳥達と一緒に考えました。


しかし ご自分の色づけた彩に満足した女神は
少しもとりあってはくれません。


木の精は
風にそよいでる赤や青の葉をながめて途方にくれます。







そのとき
空から見ていたお日様が
木の精に声をかけました。


私にその色をくださいな。
あなたは 私の光で 葉を緑に染めてくれればいいのだから。


お日様は
木の葉を染めていた鮮やかなとりどりの色を
空がはちきれんばかりに吸い込みました。


色鮮やかだったアジサイの木の葉は
もとの青々とした緑に戻りました。









お腹一杯になったお日様は
青い空の雲の隙間から
ふっと満足げな息を一つ吐きました。


吸い込んだ彩が 
風と空と 
お日様の白い光の中に流れました。


空に流れた彩は
美しい虹になって大空に架かりました。









彩(いろ)の女神の操る色は
全て
この世で一番美しい色でした。


彩の女神はこの
お日様の作ったこの虹をとても気に入って
昼の空だけでもなく夜の空にも運んで オーロラを作りました。

星達は夜空の中で
女神が連れて来た鮮やかな光の帯を眺めて
お日様をとても尊敬したそうです。







アジサイはお日様に恋をしました。

だから
元は白かった花の中に
お日様が吸った色を少しだけ分けてもらいました。


アジサイの花が
虹色に似た色 空に似た色で咲くのは
そんな理由だからでしょう。






















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